クリスタルの深部をめぐる旅

<オンライントーク>
Journey into Crystal

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参加無料/ご予約登録制

ロッククリスタル、すなわち無色透明の水晶について、あなたはどれくらいご存じですか?このトークの会場となる国立中世美術館では現在「クリスタルの深部をめぐる旅」展が開催されています。この透明で魅力的な天然素材について学ぶ、素晴らしい機会となるでしょう。

紀元前5,000年までその歴史を遡り、とりわけ球状に加工されてきたロッククリスタルは、最も人類に広く普及したクォーツです。その名はギリシャ語で「氷」を意味する「krustallos」に由来し、長い間、神による創造物とされており、集団において想像力を高める動きに貢献してきたことは明らかです。

現在のイラク、テッロで発見された紀元前4世紀のネックレスを含めたメソポタミア時代の作品から、女性の頭部を表現したローマ時代の豪華なリングまで、この鉱物はジュエリーの歴史において重要な役割を果たしてきました。中世には、12世紀にリモージュで作られた聖骨箱、聖体顕示台、神殿の箱などの権力を示す道具や、宗教的・典礼的な銀器も豊富に作られました。ロッククリスタルの食器は中世の西洋で大流行しましたが、16世紀にはイタリアやインドにも登場しています。

ジョルジュ・サンド(1804-1876)の小説『Laura: A Journey into the Crystal』(1864年)の中で称えられたこの透き通る素材は、ブラッシャイ(1899-1984)などの写真家からアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)などの彫刻家まで、芸術家に尽きせぬインスピレーションを与え続けています。またマルチアーティストのパトリック・ヌー(1963年生まれ)は、この展示会のために、死の舞踏をロッククリスタルに彫刻することに挑戦しました。

パリ中心部に位置する国立中世美術館は、フランスで唯一、中世に特化した国立の美術館です。ガロ・ローマ時代の浴場を背景にしたオテル・デ・ザベ・ドゥ・クリュニーは、『一角獣を抱く貴婦人』の6つのタペストリーを含む、24,000点にも及ぶ素晴らしい作品を展示する完璧な舞台となります。

国立中世美術館・総合遺産学芸員であり、「クリスタルの深部をめぐる旅」展キュレーターでもあるイザベル・バルディエス=フロンティと、宝石学者、美術史家、レコール研究教員のマリー=ロール・カシアス=デュラントンと共にお届けします。

トークスケジュール・言語
11月20日(月)午後8時(日本時間)
英語(日本語、広東語、北京語の同時通訳付き)
 

写真:聖骨箱。 
1200年頃、北フランス(?)。 
カットされたロッククリスタル
パリ、国立中世美術館
(c) RMN-Grand Palais (Musée de Cluny - musée national du Moyen Âge) / Michel Urtado