
2022年1月、ジュエリーと宝飾芸術の学校「レコール」は、イヴ・ガストゥ氏が蒐集していた息を呑むほどに見事なメンズ リングのコレクションを展示するエキシビションを開催します。このコレクションは、ジュエリーを女性的なものと結びつけて考えることが一般的な現代の風潮に対して、男性用のリングに特化しているという点で前例がないものです。レコールのエキシビション以外で、これまで一般に公開されたことはありません。
本展では、17世紀のヴェネツィア共和国の元首(ドージェ)の指輪、1970年代のアメリカでバイカーたちが好んだ指輪、古代エジプトにインスピレーションを受けた指輪、 “メメント・モリ”思想を反映した19世紀の骸骨の指輪などをはじめとする、およそ400点ものリングが一堂に会します。
リングはそれぞれ、このコレクションの多様性を示す5つのテーマ〈歴史/ゴシック/キリスト教神秘主義/ヴァニタス(空虚)/幅広いコレクション〉に分類され、展示されます。リングひとつひとつが、コレクターとしてのガストゥ氏の嗜好やストーリーを想起させ、まるで彼自身を形作る無数の小さなパーツのように彼のアイデンティティを語ります。本展は、これまで秘密にされてきた隠れ家におけるガストゥ氏の業績を明らかにし、アートに捧げた人生やオブジェへの深い愛を語ることをその目的としています。