無限の緻密さを要するジュエリーと、世界各地の名高い壮大な建造物とは、まるで別世界のもののように思えるかもしれません。しかし、このふたつの芸術には深いつながりがあります。均衡の追求、素材との対話、そしてフォルムの完成度の探究。これらは両者に共通するテーマです。
建築家たちはアール・デコの時代を待たずして、すでにジュエリー制作に携わっていました。まず、アーツ・アンド・クラフツ運動とグラスゴー派から誕生したアール・ヌーヴォーは、真に学際的なアプローチを採り入れた最初の芸術運動のひとつであり、芸術家や創造分野の間に豊かな交流をもたらしました。その後を引き継いだアール・デコは、多様な芸術分野の間に永続的な共鳴を生み出しました。1925年のアール・デコ博覧会を機に、創造分野の垣根が曖昧になる中、宝飾職人たちはインテリアデザインにも携わるようになります。アール・デコ様式はあらゆる場所に広まり、当時の建築物、ジュエリー、そして貴重な工芸品の間に様式的なつながりをもたらしました。
フロリダ州マイアミのウォルフソニアン美術館からライブ中継でお届けするこのトークでは、アメリカの都市を巡り、建築の魅力と、建築とジュエリーとの美的な関係を発見する旅へと皆さんをお連れします。
出演者は、ジュエリー史家で〈レコール〉講師のソン・ムーン・チョー、芸術史家で〈レコール〉講師のポール・パラディ、フロリダ国際大学ウォルフソニアン美術館でチーフキュレーターを務めるシルヴィア・バリゾーネです。
トークスケジュール・言語
英語セッション
(フランス語の同時通訳付き)
10月31日(金)23時(日本時間)
※本トークでは、日本語同時通訳のご用意はございません。
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写真:
ジャン・フーケ(1899年~1961年)とジョルジュ・フーケ(1852年~1957年)によるメゾン フーケ作
ネックレス(1925年頃)/Collier, vers 1925
ウルフソニアン–FIU(フロリダ国際大学)美術館蔵、ニューヨークのヒストリカル デザインより寄贈